2025年8月20日
エコキュートの消費電力を徹底解説!季節差・メーカー別比較・電気代節約法

エコキュートは省エネ性能に優れた給湯器として、オール電化住宅を中心に多くの住宅で採用されています。ところが実際は、どの程度の消費電力なのかは、知らない人も多いのではないでしょうか。また、選ぶメーカーやモデルによっても、エコキュートの消費電力は異なります。さらには、同じエコキュートでも使用方法や設定、使用する季節などによって、消費電力が同じではないのです。そこでこの記事は、エコキュートの消費電力について、仕組みや季節差、メーカーごとの省エネ性能、さらには電気代を抑えるコツまでわかりやすく解説します。
1.エコキュートの消費電力とは?
エコキュートは電気を使う給湯器ですが、消費電力はどれくらいなのでしょうか。
1-1.エコキュートの仕組みと電力効率
エコキュートは、電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。同じく電気を使ってお湯を沸かす給湯器には電気給湯器もあるものの、エコキュートは空気中の熱も使うことで少ない電力でお湯を沸かせる点が違います。空気中の熱を使って少ない電力でお湯を沸かす、「ヒートポンプ技術」によって、一般的な電気温水器と比較して、少ない電力のみでお湯を沸かせるのです。エコキュートは、一般的な電気温水器の、約3倍のエネルギー効率をもつといわれています。
1-2.エコキュートの一般的な消費電力とは?
一般的な家庭用エコキュートの場合、ヒートポンプユニットが消費する電力は、約1.0~1.5kWです。エコキュートの機種や運転モード、外気温などによって左右されます。
2.エコキュートの季節による消費電力の変化とは?
エコキュートの消費電力が、季節によって異なるのはご存知でしょうか。
2-1.春・夏・秋の消費電力
気温の高い春や夏は、空気中の熱が多く存在する季節です。そのためエコキュートの消費電力は、比較的少なくて済みます。少ない電力で効率よく運転でき、電気代も抑えられます。
2-2.冬期の消費電力
冬や早春・晩秋は外気温が低く、空気中から取り出せる熱が少なくなってしまいます。そのため、普段と同じ量のお湯を作るにも、電力を多く使わなければなりません。それに伴って電気代も高くなります。
2-3.季節感での消費電力の比較
夏の1日当たりの電力量が4kWh程度の一般家庭だと、冬には6kWh程度まで増加するケースもあります。空気中の熱を利用するエコキュートならではの、季節による効率の差が消費電力・電気代に反映されるというわけです。
3.エコキュートの消費電力からわかる!電気料金の計算方法
自宅でお使いのエコキュートの消費電力がわかれば、エコキュートにかかる電気料金を次のように計算で求められます。
3-1.電気料金の計算式
電気料金は基本的に、「消費電力(kWh)×電気料金単価(円)」で求められます。たとえば電気料金単価が30円/ kWhの場合、1日5 kWh使えば、1日当たりの電気代は、5×30で150円になるというわけです。
3-2.時間別の電気料金の違い
契約している電気料金プランによっては、昼間・夜間など時間帯によって単価の異なる場合もあります。たとえば、夜間電力が安い時間帯別料金プランの場合には、同じ量の電気でも、昼間より夜間に使うことで電気代を抑えられるというわけです。
3-3.地域別の電気料金の違い
電気料金は、地域によっても異なります。中部電力・関西電力・東京電力など、エリアの電力会社ごとに単価が設定されているからです。さらに現在、新電力会社が続々と登場していて、それぞれ料金体系やプランもさまざまです。
4.メーカー・モデル別の消費電力・省エネ性能
エコキュートの消費電力は、機種・モデルによって異なります。エコキュートのメーカーによって省エネ性能も異なるので、各メーカーの特徴についても紹介していきましょう。
4-1.各メーカーの消費電力・省エネ性能の特徴
エコキュートは国内の主要メーカーが製造しており、それぞれ異なる特徴があります。代表的なエコキュートメーカーと、省エネ性能の違いを次に紹介します。
メーカー名 | 省エネ性能の特徴 |
---|---|
パナソニック | 使用状況を学習する「AIエコナビ」で、最適な運転を自動制御。無駄を抑えた沸き上げによって、消費電力を低減できる。 |
三菱電機 | 独自の「ホットりたーん」機能で、残り湯の熱を再利用して省エネ性を向上。年間給湯保温効率も高水準。 |
日立 | 「ナイアガラ高圧給湯」で快適な水圧を実現。寒冷地モデルは断熱性能が高く、外気温の低い時でも効率的に稼働。 |
ダイキン | 寒冷地対応に強く、ヒートポンプの効率が高い。マイクロバブル入浴機能も省エネ設計で、効率と快適性を兼備。 |
コロナ | 高効率モデル「プレミアムエコキュート」シリーズは、省エネ基準達成率が高く、コストパフォーマンスに優れている。 |
東芝 | 独自の「真空断熱構造」搭載モデルはとくに保温性能に優れていて、放熱ロスを最小限に抑制する。シンプルながら堅実な省エネ性能が特徴。 |
上記のほか、メーカーごとにヒートポンプ性能や保温技術、年間給湯保温効率などに差があります。
4-2.年間給湯保温効率(JIS)とは?
JIS規格で定められている「年間給湯保温効率」は、省エネ性能を示す指標です。年間給湯保温効率は、次のように求められます。
1年間にエコキュートが給湯・保温に使う熱量÷1年で必要な消費電力量×100
この値が大きいほど、少ない消費電力で効率よく給湯・保温できるというわけです。たとえば年間給湯保温効率が「3.2」のエコキュートなら、1kWhの電力で3.2 kWh分のお湯を作れることを意味します。年間給湯保温効率の数値が高いほど、消費電力を抑えられるのです。
4-3.高効率モデルはお得?
エコキュートの高効率モデルは、本体価格の高い点がネックです。それでも長期的に見れば、消費電力の節約効果が高く、数年使えば価格差が回収できるともいわれています。エネルギー効率がいいということは、二酸化炭素排出量の削減にもつながり、環境に配慮したエコな暮らしが実現します。
5.消費電力を抑えるエコキュートの使用方法とは?
ここからは、エコキュートの消費電力を抑える使用方法について、いくつか紹介していきましょう。
5-1.電力の安い時間帯に沸き上げをする
エコキュートがもっとも電力を消費するのは、お湯を沸き上げする時です。エコキュートは1日分のお湯をまとめて沸かして貯めておく方式なので、消費電力を抑えるには1日1回の沸き上げをどのタイミングで行うかが重要です。多くの電力会社では、使用する人の少ない夜間の電気料金が安いプランを用意しています。この夜間電力プランを契約し、夜間に沸き上げを設定すれば、消費電力を抑えられるのです。エコキュートを導入したら、まず電力プランを見直すのは必須だといえます。
5-2.湯切れ防止設定で沸き増しを回避する
エコキュートで1日分沸かして貯めておいたお湯も、多く使用すれば湯切れが起こってしまいます。エコキュートの中には、タンク内のお湯の残量が少なくなると自動的にお湯を作って湯切れを防ぐ、「自動沸き増し機能」が搭載されたものもあります。ただし、沸き増ししてばかりいると消費電力は増えてしまうのです。
想定される使用量に合わせて事前に湯量を多めに確保する、「湯切れ防止設定」機能もあるのはご存知でしょうか。ところが湯切れ防止機能も、お湯を多く使わない日でも余計に電力を使うことになってしまいます。
自動沸き増し機能は、必要な時だけ手動で沸き増し設定するように、湯切れ防止機能の使用も最小限にすれば、消費電力が抑えられます。それには、毎日どれくらいの湯量があれば湯切れを起こさないかを把握することが重要です。
5-3.季節・家族構成に応じた設定調整をする
使用する湯量は、家族の人数やライフスタイル、季節によって変動します。家族が多ければ、その分湯量は多く必要です。また、夏場は湯船にお湯を張らずにシャワー中心になるなら、設定湯量は少なめに、冬場には多めに沸き上げするなど、柔軟に調整すれば、無駄な消費電力が防げます。
5-4.自動保温・追い炊きを節約モードで使う
自動保温機能や追い炊き機能は便利なものの、常時稼働させていると電力を多く消費してしまいます。必要な時だけ手動で使うか、節約モードで使うかして、消費電力を抑えましょう。
5-5.太陽光発電と組み合わせる
エコキュートは、太陽光発電との相性がよいのはご存知でしょうか。太陽光発電で創出する電力は、蓄電池がなければ貯めておけません。そのため売電が有効なものの、近年では売電価格も下がってきていて、自家消費の方が経済的な場合も多いのです。昼間の余剰電力でエコキュートを稼働させれば、自然エネルギーを有効活用できます。
6.消費電力を抑えるエコキュートの初期設定を解説!
エコキュートの消費電力を抑える方法をいくつか紹介してきましたが、実はエコキュートを導入した際の初期設定が重要なポイントです。そこでここでは、消費電力を抑えるエコキュートの初期設定について解説していきます。
6-1.沸き上げモードの設定
沸き上げを電気単価の安い時間帯に設定するようにしましょう。
6-2.学習機能のオン・オフ
AIが使用状況などを学習して効率よく沸かせる機種もあるものの、使用状況が一定でない家庭だと、逆に無駄な加熱が増えかねません。そのような場合には、学習機能をオフにしてみるのもおすすめです。
6-3.自動沸き増し設定の調節
湯切れ防止のために自動沸き増しするのは便利ではあるものの、必要以上に作動してしまって消費電力が増えてしまいかねません。自動での沸き増しはオフにして、必要な時だけ手動で沸き増しする方が、消費電力を抑えられます。
7.まとめ
エコキュートの消費電力は、選ぶメーカーやモデルはもちろん、季節や使い方の工夫によって大きく左右されます。年間給湯保温効率の高いモデルを選んだり、電気単価の安い時間帯に沸き上げするように設定したり、湯切れ防止設定・自動沸き増し設定の見直しなど、小さな改善で大きな節約効果が生まれます。エコキュートを効率的に使って、消費電力削減と快適な暮らしを両立させましょう。
エコキュート選びや省エネ性についてお悩みの方は、ぜひ「エコホーテ」にご相談ください。主要メーカーのエコキュートを幅広く取り扱っており、設置からアフターケアまでトータルでサポートいたします。ご家庭ごとに最適な機種や容量、機能のエコキュートをご提案し、補助金についてもご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。