2024年12月26日
エコキュートを比較するならメーカーの特徴が重要!メーカーごとの特徴を解説
エコキュートはパナソニック、三菱、ダイキン、コロナ、日立などのメーカーから販売されています。
基本的な仕組みは同じなので、比較する際はメーカーごとの特徴を知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートを比較する際に重要なメーカーごとの特徴を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプユニット給湯器」で、エアコンと同じように二酸化炭素を自然冷媒として用いています。
エアコンの室外機のような見た目をしたヒートポンプユニットは、空気の熱を自然冷媒である二酸化炭素に吸収させ、内部で圧縮し、高温に達した熱を用いてお湯を沸かします。
ヒートポンプユニットで沸かしたお湯はパイプを通じて貯湯タンクユニットに運ばれていき、必要に応じてお風呂やシャワー、台所などで給湯される仕組みです。
お湯を沸かすために利用された自然冷媒は膨張されることで低温になる特性を持っており、再び空気中の熱を吸収してお湯を沸かすために利用されます。
つまり、エコキュートがお湯を沸かすメインのエネルギーは空気の熱で、ガスや灯油のように二酸化炭素を排出しません。
さらに、電気温水器やガス給湯器、石油給湯器に比べて、お湯を沸かすための年間ランニングコストが次の表のように抑えられていることも特長です。
エコキュート | 電気温水器 | ガス給湯器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約184,800円 | 約104,400円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約189,600円 | 約98,400円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約166,800円 | 約112,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約158,400円 | 約73,200円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約100,800円 | 約81,600円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約87,600円 | 約75,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約176,400円 | 約108,000円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約193,200円 | 約93,600円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約84,000円 | 約102,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 不明 | 約62,400円 | 約55,200円 |
電気温水器も電気でお湯を沸かしている給湯器ですが、エコキュートに比べると必要なエネルギー量が多く、電気料金が高額になりやすいです。
実際のランニングコストはお湯の使い方や給湯器の性能によって変動しますが、支出を減らしたいと考えている方はエコキュートを検討しましょう。
エコキュートを比較する際のポイント
基本的に、エコキュートの仕組みはどのメーカーでも変わりません。電気によって稼働したヒートポンプユニットが空気の熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクユニットにて溜めておいて必要に応じて各所に給湯します。
そのため、お湯を沸かすためのランニングコストが安い、二酸化炭素を排出しないので環境に優しいなどのメリットは、どのメーカーを選んでも変わりません。
エコキュートを比較する際のポイントで重要なのは、次のポイントです。
- メーカーの特徴
- 貯湯容量
- サイズ
特に重要なのがメーカーの特徴です。エコキュートの主要メーカーは5社あり、メーカーによって搭載している機能や給湯性能などが異なります。
例えば、お湯に含まれる雑菌の繁殖を抑制する機能を持ったエコキュートを販売しているメーカーは5社のうち3社しかありません。
清潔な残り湯で翌日もお風呂に入りたい、あるいは洗濯したいと考えている方は、上記の機能を持ったエコキュートを販売しているメーカーから機種を検討するべきです。
貯湯容量やサイズは、家族の人数やエコキュートを設置するスペースなどに合わせて選ぶべきですが、メーカーによってはラインナップが充実しており、幅広く対応できる場合があります。
そのため、エコキュートを比較する際はメーカーの特徴を知っておくべきです。
エコキュートメーカーごとの特徴
2024年時点で主要なエコキュートメーカーは以下のとおりです。
- パナソニック
- 三菱
- ダイキン
- コロナ
- 日立
上記以外にもエコキュートを販売しているメーカーはありましたが、規模が小さい、現在は終了しているなどの理由から除外しています。
次項より、上記メーカーの特徴を順番に解説します。
パナソニックの特徴
パナソニックはトップクラスのシェア率を誇っているエコキュートメーカーです。
2024年時点ではプレミアムクラス、ミドルクラス、スタンダードクラスの3つのクラスがあり、さまざまなシリーズを販売しているため、ラインナップが充実しています。
例えば、プレミアムクラスのJPシリーズは貯湯容量が370Lと460Lの2種類があり、次のような機能を搭載した機種です。
機能 | 概要 |
---|---|
温浴セレクト | 3つの快適な温浴モードを選択可能 好みの温度を簡単に選べてリラックスできる |
ウルトラ高圧 | 給湯圧力が325kPaと業界トップクラスの数値 3階に設置してもお風呂やシャワーが力強い |
AIエコナビ | センサーが部屋の状態や人の動きに合わせて自動で節電する機能 設定温度まで加熱をコントロールし、エネルギーの消費を抑える |
うっかりアシスト | 浴槽の栓を締め忘れた場合に対応 エラーを早めに知らせてくれるので、お湯の無駄を最小限に抑えられる |
リズムeシャワープラス | シャワーの流量や温度を一定リズムで変動させる 省エネと節水効果を期待できる |
ぬくもりチャージ | お風呂の残り湯の熱を有効活用 翌日分のお湯はりのエネルギーを節約できる |
4本脚 耐震設計技術 | 貯湯タンクユニットの脚が4本 3本脚に比べて強度が高い |
パナソニックは多機能高性能なJPシリーズを始め、貯湯容量やサイズが異なるさまざまなシリーズを販売しています。
貯湯容量やサイズ、価格など、家庭によってエコキュートに求める条件は異なりますが、パナソニックならご要望に合った機種を見つけられる可能性が高いです。
特に、水圧は後述する日立のエコキュートを除けば、2024年時点で最も高い数値を達しています。機能性に優れたエコキュートや家庭の要望に合った機種、水圧の強い給湯器が好みの方は、パナソニックのエコキュートをチェックしましょう。
三菱の特徴
三菱はパナソニックに並ぶシェア率を誇り、国内ではトップクラスのエコキュートメーカーです。
2024年時点では三菱最高峰のプレミアム「Pシリーズ」、充実した機能を搭載している「Sシリーズ」、ZEH住宅向けの「EXシリーズ」、シンプル機能で求め安くなった「Aシリーズ」などのラインアップがあります。
三菱エコキュートの特徴は、給湯性能を示す年間給湯保温効率がトップクラスに高く、パナソニックでは利用できない機能を搭載していることです。
例えば、Pシリーズは貯湯容量が370L、460L、550Lの3種類があり、370Lの「SRT-P376UB」は年間給湯保温効率4.2を達成しています。
年間給湯保温効率とはエコキュートを1年間利用した場合の給湯効率で、高いほど省エネ性に優れていることを示す数値です。
2024年時点で4.2はトップの数値で、三菱エコキュートの性能の高さを証明しています。
また、Pシリーズでは次の機能が搭載されていることもポイントです。
機能 | 概要 |
---|---|
キラリユキープPLUS | 深紫外線採用のUV-LEDユニットを搭載 お湯に深紫外線を照射して、ヌメリやニオイを抑える |
バブルおそうじ | 栓を抜くだけでマイクロバブルによる配管の掃除がスタート 洗浄剤を使わず、家事の手間が減る |
ホットあわー | 約0.01ミリの微細な泡による温浴効果を体験できる 入浴後の肌水分量がアップし、うるおいが長続きする |
ホットりたーん | 残り湯の熱を回収する お湯の沸き上げのエネルギーを節約できる |
機能数を比較すると少ないですが、「キラリユキープPLUS」のような深紫外線ユニットや、「ホットあわー」のようなマイクロバブル機能はパナソニックにありません。
深紫外線機能やマイクロバブル機能に興味がある方は、三菱のエコキュートをチェックしましょう。
ダイキン
ダイキンはエコキュートのパイオニアと呼ばれるメーカーです。現在でも培ったノウハウを生かした製品を開発しています。
2024年時点では、フラグッシプモデルのXシリーズ、選択肢が豊富なAシリーズ、価格が抑えられているAシリーズの3種類があります。
なかでもXシリーズは次の機能を搭載しているため、人気が高い機種です。
機能 | 概要 |
---|---|
おゆぴかUV | UV除菌ユニットによる深紫外線機能 お湯のなかの雑菌を抑制して清潔な状態を長持ちする |
ウルトラファインバブル入浴 | 約0.001ミリ未満の微細な泡が浴室内を祷関する 温浴効果や美肌効果、洗浄効果を期待できる |
温浴タイム | 4つのモードから好みの湯温を選べる 湯温が一定に保たれるので、お風呂の時間が快適になる |
また、ダイキンのエコキュートはフルオートタイプでも濁り湯の入浴剤に対応していることも特徴です。
フルオートタイプのエコキュートは追い焚き機能が付いているので、浴槽内部のお湯を温めなおすことができます。
しかし、専用の配管を循環して温めなおすため、お湯に不純物が含まれていると目詰まりや劣化をもたらす可能性があるので、メーカーは指定された入浴剤以外の利用を推奨していません。
ダイキンは株式会社バスクリンのバスクリン、きき湯、日本の名湯などの入浴剤に対応しており、ほかのメーカーでは利用できない濁り湯タイプが利用可能となっています。
便利な機能を利用したい、入浴剤の選択肢を増やしたいと考えている方は、ダイキンのエコキュートを検討しましょう。
コロナ
コロナは世界で初めてエコキュートを販売したメーカーで、現在ではサポート機能に特化した製品を販売しています。
2024時点でのラインナップは、全ての機能を搭載したプレミアムエコキュートや、マイクロバブルユニットを内蔵したタイプ、高圧力パワフル給湯ハイグレードタイプなどです。
さまざまな機種を販売しており、貯湯容量が185Lのコンパクトなものがあります。
コロナの最大の特徴は、対応するシステムバスとの連携により、浴槽のお掃除や閉栓、湯はり、保温が自動でできる「おそうじconnect」を搭載していることです。
最近のエコキュートはスマホと連動しており、外出先からお湯はりや沸き上げを行うことができます。
しかし、コロナの「おそうじconnect」は一歩進んだサービスが可能で、浴槽栓を閉め忘れても自動で閉栓し、掃除をし忘れても自動で掃除してからお湯はりを行う機能です。
さらに、コロナはエコキュートの省エネ性能にこだわっており、通常なら5個程度のセンサーを、貯湯タンクユニットに7個搭載しています。多くのセンサーによって水温を細かく検知しているので、無駄な保温や沸き上げを行いません。
貯湯容量やサイズの選択肢が多く、サポートに関する性能が充実したエコキュートに興味がある方は、コロナを検討しましょう。
日立
日立はほかのエコキュートメーカーが搭載していない機能を有しているメーカーです。
通常のエコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで溜めておいて、必要に応じて各所に給湯する仕組みで、貯湯式給湯器に分類されます。
一方、ガス給湯器はお湯を沸かす際に直接水道水を温めて、各所に給湯する仕組みなので、水道直圧式給湯器です。
水道直圧式給湯器は水道水の水圧をそのまま利用するため、水圧が強い傾向があります。
貯湯式給湯器はお湯を溜めておく仕組みのため、内部から破損しないように水道水の水圧を減らします。そのため、水道直圧式給湯器に比べるとシャワーの勢いが弱いです。
日立の「ナイアガラ出湯」や「ナイアガラタフネス」は水道直圧式のエコキュートになります。
貯湯タンクユニットでお湯を溜めておくところまでは同じですが、「ナイアガラ出湯」や「ナイアガラタフネス」は溜めたお湯の熱を利用して、水道水を温める仕組みです。
ガス給湯器がガスを燃焼させて水道水を温めるように、お湯で水道水を温めているので、水圧がほかのメーカーに比べて高くなります。
さらに「ナイアガラタフネス」は高硬度水道水や井戸水に対応しているので、一般的なエコキュートが設置できないような環境でも設置可能です。
シャワーの水圧にこだわる方や、特殊な地域に住んでいる方は、日立のエコキュートを検討しましょう。
まとめ
以上が、エコキュートメーカーごとの特徴の比較になります。次の表は、メーカーごとの特徴をまとめたものです。
メーカー | 特徴 |
---|---|
パナソニック | 搭載している機能数はトップクラス 省エネ性能にも優れている |
三菱 | 深紫外線機能やバブル機能を搭載しているメーカーの1つ 貯湯容量やサイズの種類が豊富 |
ダイキン | 深紫外線機能やバブル機能を搭載しているメーカーの1つ 入浴剤の選択肢が多い |
コロナ | 入浴をサポートする機能が充実している 貯湯容量やサイズの種類が豊富 |
日立 | 水道直圧式のエコキュートを販売している 特殊な地域に対応している |
エコキュートを選ぶ際は、メーカーごとの特徴を理解し、興味のある機能やご家庭の要望に合った機種を選びましょう。
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