2026年1月27日
エコキュートの水抜きは自分でできる!手順と長持ちさせるメンテナンス術

「エコキュートの水抜きって、本当に自分でやっていいの?」 「業者に頼まないと壊れてしまうんじゃないか心配」
取扱説明書に「年に数回の水抜き」が推奨されていても、実際にやっている人は意外と少ないものです。しかし、結論から言うと、エコキュートの水抜きは誰でも簡単にできますし、必ずやるべきメンテナンスです。
その理由は、水道水に含まれるわずかな不純物が、タンクの底に少しずつ溜まっていくからです。これを放置していると、お風呂のお湯に黒いカスが混ざったり、エコキュート自体の寿命を縮めたりする原因になります。
この記事では、初めての方でも迷わず作業できるよう、水抜きの正しい手順をステップ形式でわかりやすく解説します。定期的なお手入れで、清潔なお湯と安心のバスライフを手に入れましょう。
エコキュートの「水抜き」には2つの意味がある
一言で「水抜き」と言っても、実は目的によって2つの種類があります。ここを混同していると、思わぬ失敗をしてしまいます。まずは自分の目的がどちらなのか確認しましょう。
1. 半年に1回の「タンクのお手入れ(メンテナンス)」
一般的に「水抜き」と言われるのはこちらです。タンクの底に溜まった汚れを出すために行います。
すべての水を抜く必要はありません。タンクの底からバケツ1杯〜2杯分(約1分〜2分)の水だけを捨てる作業です。これなら、またすぐにお湯を使うことができます。メーカーも「年に2回〜3回」の実施を推奨しています。
2. 長期間家を空ける時の「凍結・水質悪化防止」
こちらは、旅行や出張、入院などで1ヶ月以上家を空ける場合に行います。
タンクの中の水を「すべて」空っぽにします。冬場に水が凍ってタンクが割れるのを防いだり、長期間放置された水が腐って臭くなったりするのを防ぐためです。
この記事の前半では、皆さんが定期的に行うべき「1. メンテナンスとしての水抜き」について詳しく解説します。
なぜ必要?水抜きをサボると起きる3つのトラブル
「水道水はキレイなんだから、ゴミなんて溜まらないでしょ?」 そう思うかもしれません。しかし、水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれています。
やかんでお湯を沸かし続けると、底に白いカリカリした汚れ(カルキ)がつくのと同じ原理です。エコキュートのタンク内でも、数年単位で汚れが蓄積していきます。これを放置すると、3つのトラブルを招きます。
お風呂のお湯に「黒いゴミ」や「汚れ」が混ざる
最も多いトラブルがこれです。 タンクの底にヘドロのように溜まった汚れ(湯垢や錆び)が、お湯と一緒に浴槽へ流れ出してきます。
せっかくのお風呂に黒いカスが浮いていたら、気持ちよくありません。一度出てくると、何度お湯を張り替えても出てくるようになり、掃除が大変になります。
配管が詰まって故障の原因になる
溜まった汚れが固まると、お湯を通す配管やフィルターに詰まってしまいます。
人間で言うところの「血管が詰まる」状態です。お湯の出が悪くなったり、センサーが誤作動を起こしてエラー表示が出たりします。修理業者を呼ぶと数万円の費用がかかることもあります。
お湯を沸かす効率が落ちて電気代が上がる
タンクの底にあるヒーターなどの部品に汚れが付着すると、熱が伝わりにくくなります。
今までと同じ温度にお湯を沸かすのに、より多くの電気エネルギーが必要になります。つまり、知らない間に電気代が無駄にかかってしまうのです。
自分でできる!タンクの水抜き手順(メンテナンス編)
それでは、実際にやってみましょう。作業時間は10分〜15分程度です。 メーカー(パナソニック、三菱、ダイキンなど)によって細かい部品の位置は違いますが、基本的な流れは同じです。
準備するものと注意点
特別な道具は必要ありませんが、タンクの周りが濡れることがあります。
- 準備するもの: 軍手(やけど防止)、濡れてもいい靴(サンダルなど)
- 注意点: タンクからは熱湯が出ることがあります。必ず軍手をし、手にかからないように注意してください。
手順1:電源を切り、給水バルブを閉める
まず、エコキュートが動かないようにします。
- 漏電遮断器(ブレーカー)を切る: タンク本体の上部や正面にあるカバーを開けると、小さなスイッチがあります。「テストボタン」ではなく、スイッチの方を「切(OFF)」にします。
- 給水配管専用止水栓を閉める: タンクの下の方にあるバルブです。これを閉めることで、タンクへの新しい水の供給を止めます。
手順2:逃し弁を開け、排水栓を開く
次に、タンク内の圧力を逃しながら、底の水を抜きます。
- 逃し弁(のがしべん)を開ける: タンクの上部にあるレバーです。これを起こして開けます。
- 排水栓(はいすいせん)を開く: タンクの下部にあるバルブです。これを開くと、排水口から勢いよく水(お湯)が出始めます。
※排水口が見当たらない場合は、ホースがつながっている先を確認してください。
手順3:1分〜2分ほど水を出し、元に戻す
ここが掃除の本番です。
- 1分〜2分間、出しっぱなしにする: 最初は透明に見えるかもしれませんが、底に沈殿していた汚れが水圧と一緒に押し流されていきます。
- 排水栓を閉じる: 時間が経ったら、下のバルブを閉めて水を止めます。
- 給水バルブを開ける: 最初の手順で閉めたバルブを開け、タンクに水を満たします。
- 逃し弁から水が出たら閉じる: 給水バルブを開けると、空気の代わりに上の「逃し弁」から水が出てきます。水が出たのを確認してから、逃し弁のレバーを戻して閉じます。
- 漏電遮断器(ブレーカー)を入れる: 最後に電源を「入(ON)」に戻して完了です。
作業が終わったら、念のため台所のリモコンでお湯が出るか確認しましょう。
長期間(1ヶ月以上)使わない時の水抜きは「全排水」
旅行や帰省、出張などで1ヶ月以上家を空ける場合は、タンクの中の水をすべて抜く必要があります。これを「全排水」と言います。
「数日くらいならそのままでもいい」と思うかもしれませんが、1ヶ月となると話は別です。タンク内の塩素(消毒成分)が抜けて雑菌が繁殖し、悪臭の原因になります。また、冬場は凍結してタンクが破損する恐れもあります。
冬場は「配管の水抜き」もしないと破裂する危険
特に注意が必要なのが、12月〜3月の冬場です。
タンクの水抜きだけでは不十分です。お湯を運ぶ「配管」の中に水が残っていると、それが凍って膨張し、配管を破裂させてしまうからです。
寒冷地(北海道や東北など)にお住まいの方は慣れている作業かと思いますが、温暖な地域の方ほど油断しがちです。
- タンクの水抜き: 本体タンクを空にする。
- 配管の水抜き: 蛇口やシャワーを開け、配管内の水を出し切る。
この2つをセットで行う必要があります。詳しい手順は、お使いの機種の取扱説明書にある「凍結予防」「長期不在時の処置」のページを必ず確認してください。
再開する時の手順(エア抜きが必要)
家に帰ってきたら、エコキュートを使える状態に戻さなければなりません。
- 給水バルブを開ける: タンクに水を満タンにします。
- 蛇口から水を出す(エア抜き): ここがポイントです。タンクに水が貯まったと思っても、配管の中にはまだ空気が残っています。いきなりお湯を出そうとせず、混合水栓(お湯と水の蛇口)の「お湯側」を開いて、水が勢いよく出るまで出し続けてください。 ボコボコという音と共に空気が出て、水だけが出るようになればOKです。
- 電源を入れてお湯を沸かす: タンクが満タンでお湯を作るには、4時間〜5時間かかります。帰宅してすぐにお風呂には入れないので、余裕を持って作業しましょう。
水抜き作業でよくある疑問・トラブル
初めて水抜きをする時に、つまづきやすいポイントや疑問をまとめました。
排水栓から水が止まらない時は?
「手順通りにやったのに、排水栓を閉めても水がポタポタ垂れてくる」
これは、排水栓のゴムパッキンにゴミが挟まっている可能性が高いです。タンクの底から出てきた汚れが、栓を閉める時に噛み込んでしまった状態です。
【対処法】 もう一度、排水栓を大きく開いて、勢いよく水を流してください。水流でゴミが押し流されれば、ピタッと止まります。それでも止まらない場合は、パッキン自体の劣化(寿命)が考えられます。無理に締め付けず、メーカーや修理業者に点検を依頼してください。
水抜きした水は飲めるの?
「タンクの水はキレイだし、もったいないから飲みたい」と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、飲用には適しません。 日本の水道水は安全ですが、エコキュートのタンクは「お湯を作るため」のものであり、飲料水の基準で管理されているわけではないからです。一度沸騰させたとしても、底に溜まっていた沈殿物などが混ざっている可能性があります。
飲むのは避けて、庭の水やりや、掃除用、または災害時のトイレを流す水(生活用水)として活用してください。
排水した水が透明なんだけど、効果はあるの?
「バケツに受けた水がキレイで、ゴミなんて混ざっていない」 「やり方が間違っているのでは?」
せっかく作業をしたのに汚れが見えないと、不安になる方がいます。結論を言うと、それで問題ありません。
むしろ、目に見えるほどの黒いゴミやヘドロが出てくるのは、数年間掃除をサボって汚れが溜まりすぎている証拠です。透明な水が出るということは、日頃のメンテナンスが行き届いていて、タンク内が清潔に保たれているサインです。
目には見えなくても、底に沈んだ微細なミネラル分や不純物は、水流と一緒に排出されています。「汚れが出ないから意味がない」とやめてしまわず、今のキレイな状態を維持するために作業を続けてください。
まとめ:定期的な水抜きでエコキュートを長持ちさせよう
エコキュートの水抜きは、決して難しい作業ではありません。慣れてしまえば10分ほどで終わる簡単なメンテナンスです。
- 目的は2つ: 「半年に1回の掃除」と「長期不在時の凍結防止」。
- 掃除の方法: 底に溜まった汚れをバケツ1杯〜2杯分だけ流す。
- メリット: お湯がキレイになり、故障を防ぎ、電気代の無駄もなくなる。
- 注意点: 熱湯が出るので軍手をする。長期不在時は「全排水」をする。
「今まで一度もやったことがない」という方も、遅くは
その小さな手間が、エコキュートの寿命を延ばし、毎日のお風呂時間をより快適なものにしてくれます。








