2025年11月26日
エコキュートの沸き上げ時間は何時間?急に長くなった原因と対策

エコキュートの標準的な沸き上げ時間は、外気温の高い夏場で約3時間、冬場の外気温が低い時期で約4〜6時間が目安です。もし最近、沸き上げが8時間以上かかるなど急に時間が長くなったと感じたら、「冬場の外気温」か「機器の故障」が主な原因です。
沸き上げ時間が長引くほど、深夜電力とはいえ電気代は増え、特にヒートポンプの性能が落ちている場合は無駄な出費につながります。原因を特定し、設定を見直すことで、時間短縮と電気代節約を同時に実現できます。
例えば、沸き上げ時間が長くなる原因は、単に外気温の低下だけでなく、「おまかせ設定が過剰に沸かしすぎている」などの設定ミスも多いです。また、10年を超えた機器の場合、ヒートポンプ内の圧縮機劣化により、沸き上げ能力自体が落ちている可能性が高いです。
この記事では、エコキュートの標準的な沸き上げ時間の仕組みを解説し、時間が長くなる原因を「季節」「設定」「故障」の3つに分けて診断します。この記事を参考に、沸き上げ時間を短縮し、最も効率的にお湯を沸かす方法を見つけましょう。
エコキュートの標準的な沸き上げ時間と基本的な仕組み
エコキュートは、夜間の安い電気を利用して空気中の熱を取り込み、お湯を沸かして貯めておく「ヒートポンプ方式」の給湯器です。沸き上げ時間は、タンクの容量やお湯の使用量、そして外気温によって大きく変動します。
フル沸き上げにかかる時間の目安(冬と夏)
タンクのお湯を使い切り、水の状態から満タンまで沸き上げる「フル沸き上げ」にかかる時間の目安は以下の通りです。
| 季節 | 外気温 | 沸き上げ時間(目安) | 理由 |
|---|---|---|---|
| 夏場 | 20℃以上 | 約3〜4時間 | 外気温が高く、少ない電力で熱を作りやすい |
| 冬場 | 5℃以下 | 約4〜6時間 | 外気温が低く、熱効率が低下するため時間がかかる |
普段は満タンまで沸かすことは少ないため、実際にはこれより短い時間で完了することが多いです。
沸き上げ時間の計算に必要な「水温」と「貯湯量」
沸き上げ時間は、主に以下の3つの要因で決まります。
- 設定温度との差: タンク内の水温(例:5℃)と、沸き上げたい温度(例:90℃)の差が大きいほど時間がかかります。
- 貯湯量: タンクに残っているお湯が少ないほど、沸かす水量が多くなり時間がかかります。
- ヒートポンプの能力: 外気温が低いほど、ヒートポンプの熱効率が低下し、沸き上げ能力が落ちるため時間がかかります。
沸き上げ時間が長くなる最大の原因は季節と外気温
沸き上げ時間が長くなったと感じる場合、最も一般的な原因は故障ではなく「冬場の外気温の低下」です。
外気温が1℃下がると、沸き上げ時間はどれだけ伸びるか
ヒートポンプは、空気中の熱を冷媒に取り込んでお湯を沸かします。このため、外気温が低くなればなるほど、熱を取り込む効率が落ちます。
- 影響の目安: 一般的に、外気温が1℃下がるごとに、沸き上げ時間が約15分〜30分程度伸びると言われています。
- 具体例: 夏場に4時間で完了していた沸き上げが、冬場の氷点下の環境では6時間以上かかるのは、正常な動作の範囲内です。
冬場は沸き上げ開始時刻を早めるべき理由
深夜電力の終了時刻(例:朝7時)ギリギリに沸き上げが完了するように設定していると、外気温が低すぎる場合や急にお湯を使いすぎた場合に、深夜電力時間内に沸き上げが終わらず、電気代の高い昼間時間帯に突入してしまうリスクがあります。
冬場は、沸き上げ開始時刻を早め、夜間のうちに余裕をもって満タンになるように設定を見直すことが重要です。
沸き上げ時間が無駄に長くなる「設定ミス」と対策
長時間の沸き上げは、外気温だけでなく、リモコンの「設定ミス」が原因であることも多いです。無駄な沸き上げは電気代の浪費につながります。
「おまかせ」設定が過剰に沸かしすぎる理由
ほとんどのエコキュートには「おまかせ」モードが搭載されています。これは、過去数日間の家族のお湯の使用量から、翌日に必要なお湯の量を予測して沸かす機能です。
- 過剰沸き上げ: 来客があった日や、家族が旅行に出る直前の日など、一時的にお湯を大量に使用した日があると、AIがその後の数日間も「大量に使う」と誤認し、満タン近くまで過剰に沸かしすぎてしまいます。
過剰な沸き上げは、翌日のお湯の使用量が少ない場合、せっかく沸かしたお湯が使われずに冷めてしまい、エネルギーの無駄につながります。
沸き上げ量を「少なめ」や「学習機能」で調整する
無駄な沸き上げを避けるための対策は以下の通りです。
- 「少なめ」設定: お湯の使用量が安定している家庭や、家族構成が少ない家庭は、「おまかせ」よりも「少なめ」や「手動」で沸き上げ量を制限することで、無駄な沸き上げ時間を削減できます。
- 学習機能のリセット: 帰省や旅行などで長期間お湯を使わなかった後は、学習機能がリセットされ、一旦満タンまで沸かす動作に戻る機種があります。必要に応じて、手動で沸き上げ量を調整しましょう。
昼間沸き増しを招く「タンク残量表示」の見落とし
沸き上げ時間が長くなる問題は、「夜間の沸き上げ」だけでなく、「昼間の沸き増し」が不意に発生してしまうことでも生じます。昼間の沸き増しは電気代が深夜の3〜4倍になるため、最も避けるべき設定ミスです。
昼間に沸き増しが発生するのは、前の夜間の沸き上げ量が少なかったり、急な来客などで予想外にお湯を大量に使用し、リモコンのタンク残量表示が「少量」または「0」になったときです。
- 確認すべき点: 家族が入浴した後や、食器洗い乾燥機を何度も使った後に、リモコンの残量が極端に減っていないか確認が必要です。
- 対策: 残量が少なくなることが分かっている日は、昼間料金が始まる前に手動で必要な分だけ「沸き増し」予約をしておくか、使用量を調整し、沸き上げ時間の長期化や昼間沸き増しを未然に防ぎましょう。
【故障診断】長時間の沸き上げは寿命のサインかも
設定や季節要因で解決しない場合、エコキュート本体の故障が原因である可能性が高まります。特に設置から10年以上経過している機器は、寿命による性能低下を疑いましょう。
故障サイン1:ヒートポンプの圧縮機や基盤の劣化
沸き上げ時間が長くなる最も深刻な原因は、ヒートポンプユニット(室外機)の故障です。
- 圧縮機の劣化: ヒートポンプの心臓部である圧縮機が劣化すると、熱効率が落ち、同じ電力を使っても熱を効率よく作れなくなります。
- 症状: 沸き上げ時間が極端に長くなり、「ガラガラ」「キュルキュル」といった異音を伴うことが多いです。
この故障の場合、修理費用が20万円以上と高額になるため、交換を検討すべきサインとなります。
故障サイン2:タンク内の温度センサー異常
貯湯ユニット内の温度センサーが故障していると、タンク内の水温を正確に測定できなくなります。
- 症状: 実際にはお湯が満タンになっているのに「まだ沸き上げが必要」と誤認し、無駄に長く稼働し続けたり、逆にすぐに沸き上げを終了してしまい湯切れを起こしたりします。
- 対処法: リモコンにエラーコードが表示されることが多いです。この場合は、センサーの交換(費用目安:3万円〜8万円)が必要です。
10年以上の機器は性能低下による買い替え検討ライン
エコキュートの寿命目安は10年〜15年です。10年を超えた機器は、目に見える故障がなくても、ヒートポンプの性能が徐々に低下し、沸き上げに時間がかかり、電気代が高くなっている状態にあります。
修理費用が高額になる前に、最新の省エネモデルへの交換を検討することが、トータルコストで最も安く済む解決策となることが多いです。
沸き上げ時間を短縮して電気代を節約する裏技
エコキュートの最大のメリットは、安い深夜電力で沸き上げを完了させることです。このメリットを最大限に活かすことが、電気代節約につながります。
深夜電力時間帯に100%沸き上げを完了させる
契約している電力プランによって、深夜電力時間帯は異なります(例:23時〜7時)。
- 最も効率的な時間: 電気料金が最も安い時間帯に沸き上げを集中させ、終了時刻(例:7時)までに沸き上げを100%完了させるのが理想です。
- 方法: 冬場など沸き上げ時間が長くなる時期は、沸き上げ開始時間を早めるか、「満タン」設定に変更し、確実に深夜電力時間内に沸き上げを終わらせましょう。
昼間の「沸き増し」を極力避けるための設定
お湯を使いすぎて残量が少なくなると、エコキュートは自動的に昼間に沸き増しを行おうとします。
- 昼間沸き増しのデメリット: 昼間の電気代は深夜の約3〜4倍高くなります。
- 対策: 家族が多い日や、お湯の使用量が変動する日は、朝の時点でタンク残量が少ないと分かったら、昼間料金が始まる直前の時間帯に手動で少しだけ「沸き増し予約」を入れておくと、高い電気代を避けることができます。
沸き上げが完了しない時の緊急対処法と注意点
エラーが出てお湯が沸き上がらない、または沸き上げ中に停止してしまった場合の緊急対処法を解説します。
まずはブレーカーリセットを試す
一時的なシステムエラーやセンサーの誤作動が原因である場合、再起動(リセット)で問題が解決することがあります。
- リモコンの電源を切る。
- 貯湯ユニットにある漏電ブレーカーを「切」にする。
- 5分〜10分待つ。
- ブレーカーを「入」に戻し、リモコンの電源を入れる。
リセット後もエラーが続く場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
凍結が原因の場合の正しい解凍方法(熱湯厳禁)
冬場、沸き上げ開始時に「お湯も水も出ない」状態であれば、給水配管が凍結している可能性があります。凍結すると水が供給されず、沸き上げ自体ができません。
- 熱湯厳禁: 凍結した配管に熱湯をかけると、配管が破裂する危険があるため絶対に避けてください。
- 正しい方法: 凍結箇所にタオルを巻きつけ、30℃〜40℃程度のぬるま湯をゆっくりとかけましょう。昼になり気温が上がれば自然に解凍することもあります。
まとめ
エコキュートの標準沸き上げ時間は、冬場で約4〜6時間、夏場で約3時間です。急に時間が長くなったと感じたら、まずは冬場の外気温の低下を疑いましょう。
- 設定の見直し: 「おまかせ」設定による過剰な沸き上げがないか確認し、昼間沸き増しを招く残量見落としを避け、「少なめ」や「手動」で沸き上げ量を調整することで、時間を短縮できます。
- 故障の判断: 10年を超えた機器で、沸き上げの長期化に異音やエラーが伴う場合は、ヒートポンプの圧縮機劣化(寿命)が原因の可能性が高く、専門業者による点検または交換を検討すべきです。
この記事を参考に、エコキュートの沸き上げ時間を最適化し、電気代の節約につなげましょう。






