2025年11月26日
エコキュートの最適な給湯温度設定は?快適・節約・トラブル対処法

エコキュートの給湯温度設定は、シャワーが40℃〜42℃、台所が40℃前後が最も快適かつ推奨される設定です。また、リモコンで設定する「給湯温度」とは別に、タンク内の「貯湯温度」は高温(90℃)に保つことで、湯切れを防ぎ、結果として電気代の節約にもつながります。
エコキュートは、高熱の貯湯と水を混ぜて設定温度のお湯を出しています。貯湯温度が低いと、使えるお湯の量が少なくなり、昼間の高い電気代で「沸き増し」が必要になるリスクが高まります。快適な湯温設定と、高めの貯湯温度設定を両立させることが、効率運用の鍵です。
例えば、シャワーの湯温が不安定で「熱い」「ぬるい」を繰り返す場合、原因は設定ミスではなく、給湯器内部の温度センサーの劣化や、水の混合比率の変動にある可能性があります。特に冬場は、給水温度が低いため、設定温度よりもぬるく感じやすいです。
この記事では、快適な給湯温度設定の具体的な目安から、「貯湯温度」と「給湯温度」の関係、そして給湯温度が不安定になった場合のトラブル診断と解決策を解説します。この記事を参考に、ご家庭のライフスタイルに合わせた最適な給湯温度を見つけましょう。
エコキュートの「貯湯温度」と「給湯温度」の違い
エコキュートで「温度」と言うとき、リモコンで操作する給湯温度とは別に、タンク内の貯湯温度が存在します。この二つの温度の関係を理解することが、適切な設定の第一歩です。
貯湯温度(熱源の温度):90℃前後が一般的
貯湯温度とは、エコキュートが深夜に沸かしたお湯をタンクに貯蔵しておく際の温度です。
- 温度帯: 一般的に、75℃〜90℃の間で設定されます。
- 役割: 貯湯温度を高く保つほど、タンク内に貯蔵できる「熱量」が増えます。この高熱のお湯と、給水された水を混合することで、リモコンで設定した給湯温度のお湯を作ります。
多くの機種では、湯切れを防ぐために、おまかせ設定の場合、自動的に90℃前後の高温で沸き上げを行います。
給湯温度(出口の温度):リモコンで設定する温度
給湯温度とは、台所や洗面所、シャワーなど、各給湯口から出てくるお湯の温度です。リモコンの「温度設定」ボタンで操作する、私たちに最も身近な温度です。
- 温度帯: 35℃〜60℃の間で1℃刻みで設定可能です。
- 仕組み: タンク内の高温の貯湯と、冷たい水を、機器内部の混合弁で混ぜ合わせ、設定された温度(例:40℃)に調整してから吐出します。
湯量が多く、給湯温度が低いほど、高温の貯湯を水で薄める比率が高くなり、より多くのお湯が使えることになります。
【場所別】快適に使うための最適な給湯温度設定
場所によってお湯の用途が異なるため、最適な給湯温度も変わってきます。ここでは、一般的に快適とされる推奨温度をご紹介します。
浴室シャワー・カランの推奨温度(40℃〜42℃)
シャワーの温度は、体感温度や季節によって変化しますが、熱すぎずぬるすぎない温度は40℃〜42℃です。
- 40℃: 夏場や、さっぱりと浴びたいときの標準的な温度です。
- 41℃〜42℃: 冬場や、しっかり温まりたいときの快適な温度です。
リモコンでこの温度に設定し、シャワー側のカランでは水の量を調整して微調整するのが一般的です。
台所・洗面所の推奨温度(38℃〜40℃)
台所や洗面所は、主に手を洗う、食器を洗うといった用途に使われます。火傷のリスクや光熱費を考慮し、シャワーよりやや低めの温度が推奨されます。
- 台所: 38℃〜40℃。油汚れを落とすには40℃以上が必要ですが、手荒れ防止や節約の観点から、用途に応じて設定しましょう。
- 洗面所: 38℃〜40℃。手を洗うだけなら38℃でも十分です。
冬場に感じる「ぬるさ」の原因と設定調整のコツ
冬場に給湯温度を40℃に設定していても、「ぬるい」と感じることがあります。これは故障ではありません。
- 原因1:給水温度の低下: 冬場は給水される水の温度が極端に低くなるため、混合の過程で、機器が設定温度を保とうとしても一時的に温度が下がりやすくなります。
- 原因2:配管での放熱: エコキュートから蛇口までの配管が外気にさらされ、その間で熱が奪われるため、蛇口に届く頃には設定温度より1℃〜2℃下がってしまうことがあります。
対策: 冬場は、設定温度を普段より1℃〜2℃(41℃〜42℃)上げるだけで、体感温度が大きく改善されます。
湯切れを防ぐために!貯湯温度を高く保つメリット
リモコンで貯湯温度を下げられる機種もありますが、節約効果はわずかで、むしろ湯切れのリスクを高めてしまうため、貯湯温度は高温に保つ方が賢明です。
高温貯湯は「使えるお湯の量」を増やす
貯湯温度を高く設定する最大のメリットは、「使用可能な湯量が増える」ことです。
例えば、460Lのタンクで90℃に沸かしたお湯と、水を混ぜて40℃のお湯として使える量は、75℃に沸かした場合よりも約20%多くなります。
- 湯切れ防止: タンク内の熱を最大限に活用できるため、家族が多い日でも湯切れしにくくなります。
貯湯温度を下げても電気代はほとんど変わらない理由
貯湯温度を90℃から80℃に下げても、電気代の節約効果はほとんど期待できません。
- 貯湯量の調整が重要: 電気代を大きく左右するのは、「貯湯温度」ではなく、「沸き上げ量(タンクに残すお湯の量)」です。
- 高温貯湯のメリット: 貯湯温度が高ければ、湯切れのリスクが下がり、結果的に昼間の割高な電気代で沸き増しをする回数が減るため、トータルで見た電気代は安く済む傾向があります。
基本的に、貯湯温度はおまかせ設定に任せるか、湯切れを心配するなら最高温度に設定しておくことを推奨します。
給湯温度が安定しない・ぬるいと感じた時のチェック項目
設定温度通りに出ているはずなのに、お湯が熱くなったり冷たくなったりして安定しない場合は、故障や外部要因を疑う必要があります。
複数の蛇口使用による「混合比率」の変動
給湯温度が不安定になる最もよくある原因は、同時にお湯を使用することによる水の混合比率の変動です。
- 現象: シャワー中に台所でお湯を使い始めると、シャワーのお湯が急に熱くなったりぬるくなったりします。
- 原因: エコキュートが出す総湯量には上限があります。複数の蛇口で同時に使うと、機器内部で設定温度を保つための水量調整(水との混合)が追いつかなくなり、温度が一時的に不安定になります。
これは機器の仕様上の問題であり、故障ではありません。できる限り、同時にお湯を使用することを避けることで解消されます。
経年劣化による「サーミスタ(温度センサー)」の故障
給湯温度を正確に測定・制御しているサーミスタ(温度センサー)が経年劣化により故障すると、不安定な給湯温度の原因となります。
- 現象: 同時に複数の蛇口を使っていないのに、シャワーの温度が勝手に上下する、または設定温度より極端に熱い・冷たいお湯が出る。
- 診断: リモコンにエラーコード(Eから始まるセンサー系のコード)が表示されることが多いです。
- 対処: 設置から10年近く経っている場合は、センサーの寿命が疑われます。業者に依頼してセンサーを交換(費用目安:3万円〜8万円)する必要があります。
凍結や断水など、給水量の不足
給湯器に供給される水の量が不安定または不足すると、設定温度を維持できなくなります。
- 原因: 給水止水栓がわずかに閉まっている、冬場の給水配管の凍結、または地域の断水や水道工事による水圧の低下など。
- 症状: 給湯温度が極端に低くなったり、お湯が出なくなったりします。
給水量をチェックし、凍結が疑われる場合は、熱湯をかけずにぬるま湯で配管をゆっくり解凍しましょう。
温度設定による電気代への影響と効率的な運用
前述の通り、電気代を左右するのは「貯湯温度」ではなく「沸き上げ量」です。しかし、設定温度の運用次第で電気代を節約することは可能です。
沸き上げ量 > 貯湯温度が電気代に影響する
電気代の節約を考える際、優先すべき設定は以下の通りです。
| 優先度 | 設定項目 | 節約効果 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 高 | 沸き上げ量 | 大 | 必要な量だけ沸かすことで、無駄な電力消費を抑える |
| 中 | 給湯温度 | 中 | 常に低く設定すれば、追い焚きや高温足し湯の回数を減らせる |
| 低 | 貯湯温度 | 小 | タンクの保温にかかる電力はわずかで、湯切れリスクを下げるメリットが大きい |
給湯温度を下げすぎる(例:35℃)と、冬場などに追い焚きや高温足し湯を頻繁に行うことになり、そちらで電力を使うため、必ずしも節約になるとは限りません。
「おまかせ」設定で貯湯温度を任せるメリット
多くのエコキュートに搭載されている「おまかせ」機能は、給湯温度を安定させ、電気代を節約するための優秀な機能です。
- 賢い沸き上げ: 過去の使用実績に基づき、湯切れしない範囲で最適な貯湯量を自動で計算します。
- 貯湯温度の最適化: 湯切れリスクが高い場合は貯湯温度を高く、リスクが低い場合は少し下げるなど、機種によっては自動で調整してくれます。
特別な事情がない限り、「おまかせ」設定に任せて運用するのが、最も手間がなく効率的です。
【安全対策】火傷を防ぐためのリモコン設定と注意点
エコキュートは最大90℃近いお湯を貯蔵しているため、特に小さなお子様がいるご家庭では、火傷防止のための安全対策が不可欠です。
混合水栓(蛇口)側の調整の重要性
給湯温度をリモコンで設定しても、台所や洗面所の混合水栓(蛇口)のレバー操作次第で、設定温度以上の熱いお湯が出てしまうリスクがあります。
- レバー操作に注意: レバーを高温側に限界まで回しきってしまうと、内部で十分な水が混合されず、設定温度以上の危険な熱いお湯が出る可能性があります。
- 設定の上限: 幼児がいる場合は、給湯温度の設定上限を40℃などに制限できる機能(あれば)を使うか、物理的に水栓に火傷防止のストッパーを設置するなどの対策を検討しましょう。
チャイルドロック機能の活用
ほぼ全てのエコキュートのリモコンには、チャイルドロック機能が搭載されています。
- 目的: 子供が誤ってリモコンを操作し、給湯温度を極端に上げる、または湯はりボタンを押して火傷を負うことを防ぐ。
- 方法: 取扱説明書を確認し、チャイルドロック機能を有効にしておきましょう。特に浴室リモコンは手が届きやすいため、必ずロックを設定してください。
まとめ
エコキュートの給湯温度は、シャワーが40℃〜42℃、台所が40℃前後が快適な推奨設定です。
- 設定の仕組み: リモコンの「給湯温度」とは別に、タンク内の「貯湯温度」は湯切れ防止のために高温(90℃前後)に保つことが賢明です。
- 不安定な場合: 複数の蛇口使用による混合比率の変動や、経年劣化による温度センサー(サーミスタ)の故障が原因です。故障の場合は業者に診断を依頼しましょう。
- 効率化: 貯湯温度よりも「沸き上げ量」が電気代に大きく影響します。「おまかせ」設定を基本に運用し、無駄な沸き増しを防ぐことで、快適性と節約を両立させることができます。
この記事を参考に、ご家庭に最適な給湯温度設定を見つけ、エコキュートを快適に使いこなしましょう。







