2026年2月24日
エコキュートの追い焚きは損?得?電気代を最小限に抑える最強の節約術

エコキュートを使っていて、誰もが一度は「追い焚きをすると電気代が跳ね上がるのではないか?」と不安に思ったことがあるはずです。結論からお伝えすると、「お湯が十分にあるなら、追い焚きよりも『高温さし湯』の方が電気効率は良い」のが基本ですが、「水道代まで含めたトータルコスト」で見ると、追い焚きが有利になるケースも多々あります。
エコキュートの追い焚きは、ガス給湯器とは全く異なる仕組みで動いています。この仕組みを知らずに使うと、知らぬ間に数千円の電気代を損しているかもしれません。この記事では、家計を徹底的に守るための「追い焚きと足し湯の使い分け」の正解を、プロの視点で徹底解説します。
そもそもエコキュートの「追い焚き」の仕組みとは?
「追い焚きをするとタンクのお湯が減る」と思っていませんか?実は、エコキュートの追い焚きは少し特殊な動きをしています。まずはここを理解することが、節約への第一歩です。
タンクのお湯は減らないが「熱」だけが奪われる
エコキュートの追い焚きは、タンクの中にある熱いお湯を直接浴槽に流し込むわけではありません。浴槽のぬるくなったお湯を一度機械に戻し、タンク内の熱いお湯が通る「熱交換器」という場所で熱だけをもらって、温かくなって浴槽に戻る仕組みです。
つまり、タンクの中のお湯の量は減りませんが、タンク内の「熱」は確実に消費されます。 タンク全体の温度が下がるため、お湯を使いすぎると、単価の高い昼間に「沸き増し」が発生し、電気代が跳ね上がる原因になるのです。
ガス給湯器の追い焚きとの決定的な違い
ガス給湯器はその場で火を燃やして温めますが、エコキュートは「夜に貯めた熱」を切り崩して使います。そのため、「今ある熱(貯金)をどう守るか」という視点が、エコキュート特有の節約術になります。
【徹底比較】追い焚き・足し湯・高温さし湯、どれが一番安いの?
お風呂を温め直す方法は主に3つあります。家計防衛の観点から、それぞれのコストパフォーマンスを比較してみましょう。
1. 追い焚き:水道代を浮かせたい時に最適
追い焚きは、今あるお湯を循環させるだけなので、水道代が一切かからないのが最大のメリットです。
- メリット: 水道代が0円。お湯の量が増えないので、浴槽から溢れる心配がない。
- デメリット: タンクの熱を熱交換器で移す際、わずかな熱ロスが発生する。
2. 足し湯(高温さし湯):電気効率は最強
「高温さし湯(または高温たし湯)」は、タンクの中にある熱いお湯(通常60度〜80度)をそのまま浴槽に加える方法です。熱を移すプロセスがないため、電気代の効率(熱効率)はこれが一番良いです。
- メリット: タンクの熱を最も無駄なく使える。素早く温度が上がる。
- デメリット: 新しくお湯を足すため、当然ながら水道代がかかる。
3. 自動保温:実はこれが一番の「浪費」
多くの家庭で設定されている「自動保温」機能。実はこれが一番電気代を食う原因です。 お風呂に入っていない間も、機械が勝手に何度も追い焚きを繰り返すため、タンクの熱をどんどん消費します。節約を考えるなら、自動保温はオフにし、入る直前に追い焚きやさし湯をするのが鉄則です。
どちらが得?家計への影響をシミュレーション
「追い焚き」と「高温さし湯」、結局どちらが安いのかは、お住まいの地域のインフラ料金によって左右されます。
水道代が高い地域なら「追い焚き」に軍配
水道代が非常に高い地域にお住まいの場合、お湯を足すこと自体が大きな出費になります。この場合、電気効率が多少落ちても、水道を使わない追い焚きの方がトータルコストは安くなります。
電気代がピークの時間帯なら「さし湯」を最小限に
夜の沸き上げが始まる前の「夕食後」など、電気代が最も高い時間帯にお湯を温め直す際、タンクの熱を使い切るのが一番のリスクです。お湯の量が十分にあるなら、高温さし湯を「少量」だけ使い、お湯の温度をピンポイントで上げるのが、タンクのお湯を最も長持ちさせるテクニックです。
湯切れのピンチ!追い焚きができなくなった時の対処法
追い焚きを使いすぎて「お湯が足りない」という表示が出た際、焦って間違った操作をするとさらに損をしてしまいます。
「追い焚き」を止めて「高温さし湯」に切り替える
タンクの残量がわずかな時、追い焚きを続けると効率が極端に悪化し、エラーが出ることもあります。そんな時は追い焚きを中止し、少量の「高温さし湯」で温度を上げるほうが、少ないエネルギーで入浴可能な温度までリカバリーできます。
昼間の沸き増し設定を「最小限」に抑える
お湯が足りない時、リモコンの「沸き増し」ボタンを押すとタンク全体を温めようとしますが、これには多額の電気代がかかります。「あと1人入るだけ」なら、手動で1時間だけ沸き増しするなど、必要最小限の設定に留めるのが家計を守るコツです。
追い焚きで電気代を跳ね上げないための3つの注意点
良かれと思ってやった追い焚きが、逆効果になることがあります。以下の3点は必ず守りましょう。
1. 昼間の「沸き増し」を極力防ぐ
追い焚きを何度も繰り返してタンクの熱を使い切ってしまうと、エコキュートが「お湯が足りない!」と判断し、昼間に沸き増しを始めます。昼間の電気代は夜間の2倍〜3倍になるプランが多いため、ここで沸き増しをさせてしまうと、せっかくの節約が水の泡です。
2. 残り湯が少なすぎる状態での追い焚きはNG
浴槽のお湯が循環口(フィルターがある場所)より下にある状態で追い焚きをすると、空気を吸い込んで故障の原因になったり、効率が著しく悪化したりします。必ずお湯が循環口より5cm以上上にあることを確認してからボタンを押しましょう。
3. 入浴剤の種類に要注意
追い焚きは配管の中に浴槽のお湯を通すため、入浴剤の成分が機械にダメージを与えることがあります。
- 硫黄・酸・アルカリが含まれるもの
- とろみ成分・固形物の入ったもの
- ソルト(塩分)系のもの
これらは配管をサビさせたり、詰まらせたりして、数十万円の修理費用がかかるリスクがあります。必ず「エコキュート対応」と明記された入浴剤を選んでください。
追い焚き機能を長持ちさせる!月1回の簡単メンテナンス
追い焚き効率を下げないためには、配管の汚れを取り除くことが不可欠です。汚れが溜まると熱が伝わりにくくなり、余計な電気代がかかります。
循環口フィルターの掃除(週1回推奨)
浴槽にある丸いフィルターは、髪の毛や湯垢で詰まりやすい場所です。ここが詰まるとお湯の循環が悪くなり、追い焚きに時間がかかります。古歯ブラシでサッとこするだけで、追い焚きのスピードが改善し、効率がアップします。
配管洗浄剤を使った大掃除(月1回)
「ジャバ」などの配管洗浄剤を使って、追い焚き配管の中をきれいにしましょう。
- 循環口より上まで水を張る(残り湯でOK)。
- 洗浄剤を入れて、追い焚きを数分動かす。
- そのまま1時間ほど放置し、最後にお湯を入れ替えてすすぐ。 これだけで、熱交換の効率が復活し、電気代の節約に直結します。
前日の残り湯を「追い焚き」で再利用するのは本当にお得?
「節約のために、前日の残り湯を追い焚きしてもう一度入りたい」という声をよく聞きます。しかし、エコキュートにおいては、これが必ずしも正解とは限りません。
水道代よりも「沸かし直し」の電気代が高くつくケース
前日の冷え切った水を追い焚きで温め直すには、タンク内の膨大な熱を消費します。これは、実質的に「昼間に高い電気代でお湯を沸かし直す」のと変わらない負担をタンクに強いることになります。
計算上は、冷え切った水を追い焚きするよりも、一度お湯を捨てて、安い夜間電力で沸かしたお湯を新しく「自動お湯はり」するほうが、トータルコストは安くなることがほとんどです。
衛生面と配管へのダメージリスク
一晩放置した残り湯には雑菌が繁殖しており、それを追い焚きで循環させると、エコキュート内部の配管に汚れが固着しやすくなります。「清潔さ」と「機械の寿命」を考えるなら、毎日お湯を入れ替えるのが、長期的な節約(修理費削減)につながります。
冬場の追い焚きを賢く乗り切るテクニック
気温が下がる冬は、追い焚きの回数も増えがちですが、工夫次第で負担を減らせます。
「追い焚き」よりも「足し湯」が冬に強い理由
冬場は配管自体が冷え切っているため、追い焚きをすると配管を通る間にお湯の熱が奪われてしまいます。効率が極端に落ちるため、冬場に限っては「高温さし湯」でダイレクトに熱を入れる方が、タンクのお湯(貯金)を守れることが多いです。
お風呂の蓋は「アルミシート」とのダブル使い
保温効果を高めるために、通常の蓋に加えて、お湯の表面に直接浮かべるアルミ製の保温シートを使いましょう。これだけでお湯が冷めるスピードが格段に遅くなり、追い焚きの頻度を半分以下に減らすことができます。
最新エコキュートの「追い焚き節約機能」を使い倒そう
最新の機種には、追い焚きの無駄を自動でカットする優れた機能が搭載されています。自分の家の機械に備わっていないか、今すぐリモコンを確認してみましょう。
AIによる「入浴検知センサー」の活用
パナソニックや三菱電機などの最新モデルには、浴室に人が入ったことを検知して、その瞬間だけ追い焚きを開始する機能があります。これを使えば、人がいない間の無駄な保温を完全にゼロにしながら、入った瞬間は常に適温という、快適さと節約のいいとこ取りが可能です。
「残り湯熱回収」機能で翌日の電気代を下げる
一部の高級モデルには、お風呂から上がる際に浴槽の残り湯の「熱」だけをタンクに戻し、翌日の沸き上げに再利用する機能があります。この設定を「オン」にするだけで、翌日の電気代をさらに5〜10%削減できるため、搭載されている場合は必ず活用しましょう。
まとめ:追い焚きの「性質」を知れば、10年後の貯金額が変わる
エコキュートの追い焚きは、単なるボタン操作一つに見えて、実は家計の支出に直結する重要な判断です。
「水道代を浮かすための追い焚き」と「電気代を浮かすための高温さし湯」、そして「熱を逃さないための蓋」。これらの性質を理解し、季節やタンクの残量に合わせて使い分けることが、最強の家計防衛術となります。
今日から「自動保温」を最小限にし、最新のAI機能や保温シートをフル活用することで、無理な我慢をせずに光熱費を削減していきましょう。小さな積み重ねこそが、エコキュートを15年、20年と使い続けるための、最も価値のあるメンテナンスなのです。






